母フリースクールって、うちの子に合うのかしら…
どこも良さそうで違いが分かりにくいフリースクール。
後悔しないために一番よかったのは、焦らず、まず親がゆとりを持って見学に行くことでした。
利用するかどうかよりも、「実際の空気感を知っている」という安心感が心のお守りになります。
結論から言うと、わが家の場合はオンラインフリースクールを試したこともありますが、現在はフリースクールは利用していません。
でも見に行ったことは後悔していませんし、むしろ必要ならばいつでも取り出せる情報になりました。

「後悔」の正体は、知らないままでいること

フリースクールで後悔した話としてよく挙がるのは、このあたりです。
- 子どもが通わなくなった
- 雰囲気が合わなかった
- 思ったより費用がかかった
- 勉強の遅れが埋まらなかった
- 出席扱いにならなかった
- 送迎や通学の負担が大きかった
どれも起こりうることですよね。
ただ、わたしが6か所を見て回ってから振り返ると、後悔しただろうと思うのは知らないまま、時間が過ぎて大事なときにタイミングを失うことなんじゃないかと感じました。
利用してみて合わないと思ったら、やり直せます。合わなければ、別を探せばいいんです。
けれど「あのとき知っていれば」は、あとから取り返せません。
だから後悔しない方法を、私は「上手に選ぶこと」ではなく「必要なときには知っておくこと」だと考えています。

これは先回りして子供に伝えたり無理強いするということではなく、必要と思ったときにはすぐ出せる状態でいるという意味だよ
先に決めるのは「何を希望とするか」

見学したり利用したりしてみて、事前に決めておくと良いなと感じたのは、ホームページの雰囲気ではありません。
親や子どもがフリースクールに何を希望するだろうかということでした。
期待するものが違えば、合う場所も変わってきます。
- 安心して過ごせる居場所がほしいのか
- 勉強の遅れを埋めたいのか
- 家族以外の人と関わってほしいのか
- 高校進学や通信制につなげたいのか
- 友達が一人でも作れたらいいのか
ここを決めずに見に行くと、どこも良く見えます。そして、よくわからないままになります。
私自身、子どもがオンライン型のフリースクールを使ってみて、それを実感しました。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| オンラインで第三者と関われる 安心して会話できる、チャットもできる 大人が間に入ってトラブルを対処してもらえる ゲームなどやりたい趣味もできる | すでに関係性ができているところに入りにくい 利用先は教えてもらう場所ではなかった 利用先は進学につながる場所ではなかった 利用先は出席扱いにはならなかった |
利用したオンライン型は、興味のあることをチャットや音声でやりとりしたり、ゲームもできる場所でした。
試してみると、途中から仲間に入りにくく、内容も子どもには物足りない部分もありました。
そもそも、わが家が求めていたものと目的が少し違っていたのだと思います。
その一方で、大人が入っていてトラブルがあっても対処してもらえる安心感は、今でもよかったと感じています。
今は利用していませんが、合う・合わないを一度確かめられたことは無駄ではありませんでした。
利用したことで、子どもの希望がわかりました。
- もう少し好きなことを誰かと話したい
- 自由にできる中で、学びにも繋げたいという希望がある
まず「何を希望とするか」を意識して見学や体験をしてみてください。
フリースクールのタイプで分かれる種類

フリースクールと聞いて思い浮かべる姿は、たぶん人によって違います。
実際に回ってみると、方針もスタッフの数も雰囲気も、施設ごとに大きく異なりました。
大きく分けると、次の6つのタイプがあります。
| タイプ | どんな場所か | 私の関わり方 |
|---|---|---|
| 学習系 | 学習支援が中心。教材やカリキュラムがある | 見学しました(1か所は子どもと) |
| 居場所系 | 過ごし方が自由。体験活動が中心のところも | 見学しました |
| オンライン型 | 自宅から参加する。交流や学習の形はさまざま | 利用経験あり |
| 専門サポート型 | 臨床心理士などの専門職が関わる | 調査のみ |
| 共同生活型 | 寮などで生活をともにする | 調査のみ |
| 自宅訪問型 | スタッフが家に来てくれる | 調査のみ |
親だけで、フリースクールを見学した話

ここからは、実際に数カ所足を運んだ学習型と居場所型で分かったことです。ホームページを読むだけではよく分からなかったこともあります。
通信制高校の中等部がフリースクールのことも
通信制高校や通信制高校のサポート校を調べていくと、その中等部がフリースクールを掲げているところもあります。
運営方針はそれぞれですが、こういったフリースクールは学習系の要素が強いと見学で感じました。
私が見に行った中にも、通信制高校のサポート校で中等部としてフリースクールを運営している場所がありました。
学校法人だけでなく大手の教育グループなど運営の母体は異なるので、得意な分野もさまざま。
実際の一日の流れや利用人数(一日あたりの利用人数も)を確認するとイメージしやすいです。
進路のことを調べるついでに、フリースクールも見られると考えると、少し気が楽になりますよ。
においは、行かないと分かりません
とある居場所系フリースクールの見学で記憶に残ったのは、においでした。
何のにおいなのかは分かりません。ただ、独特のにおいがありました。
子どもがいる場所なので仕方のない部分もありますが、雑然として散らかっている様子も少し気になりました。
においや普段の様子は、写真にも文章にも写りません。行ったから分かったことです。
その一方で、雰囲気そのものは、ホームページで見た運営方針の通りあたたかい場所でした。
- 友だちと遊んで笑っている子
- 自分のペースで勉強している子
- 知りたいときには勉強も教えてくれる優しいスタッフ

においだけは、どこにも書いてないんですよね
通える距離かどうかは、往復すると分かる
見学ではじめの印象と変わりがちなのが、距離でした。
素敵そうなフリースクールだと、行けるんじゃないかと思っちゃうんですよね。
私も見学前に地図の案内だけをみたら、大丈夫と楽観的に思っていましたが、実際に行ってみると意外と不便で遠い。
そのため本当に続けて通えるか考え直すことになりました。
だから次は、公共交通機関の便がよい場所を見学に選びました。どんなに良い場所でも、通えなければ選択肢になりません。
地図の上で見る距離と、実際に往復してみた感覚は違います。
ここも、実際に行ってみて分かったことのひとつでした。
静かに過ごせる場所があるか
フリースクールを見学するときに重要なポイントだと思った部分は、間取りです。
あるフリースクールはワンフロアで、静かに過ごせる場所がなさそうでした。
みんなと交流したい子には、ぴったりだと思います。
先生も生徒を見渡せて、困っている子をすぐ見つけられます。
ただ、ときには静かに休みたいという子の場合、逃げ場がないと苦しくなるかもしれません。
見学したあるワンフロアタイプのフリースクールは、一人ひとりを大事にしてくれそうな自由な雰囲気でした。
広い年代の子が交流している様子もあります。
いろいろな機会を精力的につくってくれている印象を持ちました。
だからこそザワザワしやすいという側面もありました。
別のフリースクールの見学では、場所が戸建てでした。
大きい子と小さい子を年齢で分け、それぞれやりたいことをする方針でした。
静かにしたいお子さんとも分けられていて、いいなと感じました。
静かに集中するための勉強タイムを設けているのも、居場所型フリースクールのほかとは違う点でした。
実際に利用しているときに、どれくらい音が響くかも、お子さんが音に敏感なときはチェックしておくと参考になります。
スタッフの人数と、目が届かない場所
見学したフリースクールのひとつは外によく出かけるようでした。
部屋も静かに過ごせる隔離された場所や秘密基地のような小部屋もありました。
ただ、少人数のスタッフで回している様子があり、家庭的である反面、事故や突発的なことに対応しにくい可能性も感じました。
静かになれる場所があるのは、子どもにとって安心です。
その一方で、スタッフの目が届きにくい場所は、いじめや事故などトラブルが起きやすい場所にもなります。
どちらが良い悪いではなく、両面があるということですね。
見学のときは、1日に何人のスタッフが何人の子を見ているのか、死角になる場所はないかを合わせて見ておくと安心だと思います。

看護の目で、つい見てしまうところです
費用はプランで変わります
6か所見学してみると料金は3〜4万円程度が多く、平均的かなという印象でした。
中には2万円程度で利用できるプランがあるところもありました。
- 手厚い支援
- 学習指導
- 通い放題やサービスの使い放題プラン
このようなプランがある場合、そのプランを選ぶと値段も上がりやすいようです。
月額の会費(授業料)は、1~3万円・3~5万円とする団体・施設がそれぞれ4割弱、平均額は約3万3千円
出典:小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査の結果(概要)文部科学省
利用回数、体験イベントや昼食代、学習サポートなどをつけると費用が大きく変わることもあります。
対象年齢で雰囲気は変わる
サポート校が運営するフリースクールの対象年齢は中学生からなので、みんな落ち着いた様子で、静かな雰囲気でした。
中学生からが対象ということもあって、幅広い年齢の通うフリースクールより静かでした。
中等部としてフリースクールに入会し、学び直しを中心としながらイベントも定期的にある、と説明してもらいました。
大きなフロアで学習するフリースクールもあれば、少人数で、学習教材を使い塾のような運営をしているところもありました。
教材にしっかり時間をとっている様子だったので、馴染めなければ苦痛の時間になるかもしれない、とも感じました。
その一方で、学校よりも優しい先生との距離は近そうでした。
なぜ通信制高校のサポート校が中等部としてフリースクールをしているのか質問すると、
- 進学後に学び直そうとしても追いつかないので中学から力を入れることにした
- 中学から通えば高校でも馴染みやすい
そう説明していただき、なるほどと思う部分もあります。
6か所を回って分かったのは、方針やスタッフの数で、雰囲気はここまで違うのかということでした。同じ「フリースクール」という言葉でひとくくりにできる場所ではありません。
運営者の考え方もいろいろ。だからこそ、ぜひご自分の目で確かめてみてくださいね。
子どもに言わずに、親だけで見ていい

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
フリースクールの見学は、子どもを連れて行かなくてもできます。親だけで見に行っていいんです。
「絶対無理そう」は、親が見れば分かる
親が見て、この子にここは絶対に無理だろうな、と感じる場所はあります。悪い人ではないけれど、うちの子とは合わなさそうだな、と思うこともありました。
それがまるきり正解とは限りません。ただ、「絶対に無理だろうな」は、けっこう分かるものです。
正解を当てる必要はないと思っています。明らかに合わない場所をふるいにかけておくだけで、子どもが気になった時に見せる候補はずいぶん絞れますから。
正解は選べなくていい。幅を持つだけでいい
2つの場面を思い浮かべてみてください。
A:子どもが「行ってみようかな」と言った日に、そこから調べ始める。見学の予約が取れるのは数週間先で、そのあいだに気持ちが変わってしまう。
B:すでに何か所か見てあるので、「こんなところがあるよ」とその日のうちに話せる。子どもの希望や合いそうな場所から、見学を申し込める。
子どもの気持ちが動いた瞬間に応えられるのは、どちらでしょうか。
先に見ておくのは、決めるためではありません。渡せるものを用意しておくためです。判断しかねたままでも、選択肢の幅さえ持っておけば十分だと思っています。
先に費用を知ると、見せなくていい場所が分かる
これは、あとから効いてきた部分です。
費用を先に知っておくと、そもそも支払えない場所を、子どもに紹介せずに済みます。
払えない場所を見せてしまって、子どもが「行きたい」と言ったら、どうなるでしょうか。せっかく動いた気持ちを、こちらから取り上げることになります。
それは、子どもをもう一度がっかりさせることでもありますよね。先に費用の幅を知っておくだけで、それを避けられます。
子どもが動いた日に、すぐ出せる
知っていれば、「いつでも行けるところがあるよ」と言えます。子どもが動きだしたときにすぐ紹介できます。
そのために、親が先に見ておく。それが、私にとっての「後悔しない」でした。まずは1か所だけでも、のぞいてみてくださいね。

見に行くのは、決めるためじゃないんです
見学のときに、確認しておくとよかったこと

実際に回ってみて、観察したり聞いてよかったと思ったことをまとめます。
- 毎日通えなくても大丈夫か。週1回や短時間から始められるか
- 年間休日や定休日はあるか
- 親の付き添いは必要か、施設外のイベントに送迎はあるか
- 学習の支援はどの程度あるか
- 子ども同士のトラブルには、どう対応しているか
- スタッフは何人で、1日に何人の子を見ているか
- スタッフの資格
- 運営者の考え方・方針は合うか
- 静かに休める場所があるか。死角になる場所はないか
- 施設全体の間取りやトイレなどの環境の清潔さ
- 学校との連携はしてもらえるか
- 休会・退会の条件はどうなっているか
- 保険加入の有無
- イベントや行事の予定
- 体験や単発利用の有無
- 昼食やおやつの準備は必要か
- アレルギーの対応はあるか
- 別途料金は発生するか(下記参照)
- 周囲の音やにおい
お金は、月謝だけでは分かりません
通うとなると、月謝のほかにもいろいろな費用がかかります。
- 入会金・月謝
- 教材費
- 施設費や光熱費などの別途料金
- 活動費・イベント費
- 交通費と、送迎の負担
- お弁当が必要かどうか
- 保険に入る必要があるか
月謝が安く見えても、合計すると印象が変わることがあります。
逆に高く見えても、回数制で調整できる場所もありました。
安いか高いかではなく、わが家が続けられる総額かどうかで見ておくと安心です。
出席扱いは、必ず学校に確認を
ここは施設ではなく、学校に聞く部分です
文部科学省は、学校外の施設で相談や指導を受ける場合、一定の要件を満たして校長が認めたときに、指導要録上の出席扱いにできるとしています。フリースクールに通えば必ず出席扱いになる、というものではありません。
円滑な学校復帰が可能となるよう個別指導等の適切な支援を実施していると評価できる場合,校長は指導要録上出席扱いとすることができる。
出典:義務教育段階の不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の指導要録上の出欠の取扱いについて 文部科学省
最終的に判断するのは学校長になります。施設に「出席扱いの実績はありますか」と聞いたうえで、通う前に学校にも確認してみてくださいね。
【まとめ】知っておくだけでお守りになる

ここまで書いておいて、なのですが。
わが子は、対面式のフリースクールを希望しませんでした。
6か所も対面式を見て回って、試したのはオンラインフリースクールやそれ以外のサービスでした。
それでも、あの見学は無駄ではなかったと思っています。
見に行って、手元に残ったもの
- サポート校も見学したことになり、進路の参考になった
- 通えそうなフリースクールの違いが理解できた
- もし今後やっぱり、となったときの場所の引き出しができた
- 費用の目安が、なんとなく分かった
- 日中どんなふうに過ごすのかが理解できた
- 第三者と関わり、同年代と知り合えることの良さが分かった
- 施設ごとの特色や強みを知ることができた
- 元気になってきた時にすぐ子どもに説明できた
- 見学したことで、子どもに合う他の選択肢にも目が向いた
ある日子どもが「外にいかなくちゃ」って話したときがありました。
そのときになって、過去に見学した場所について選択肢として紹介しました。
そこは結局選びませんでしたが、選択肢を子どもも知ることができました。
その後、進路の参考にサポート校でフリースクールもしているところへ見学を一緒にしたり、他の場所の利用をすることに繋がっていきました。
子どもが動かなくても、親が動いた分は残ります。
今すぐ決めなくて大丈夫です。知っておくだけのお守りで十分です。
そして、行きたくなった日にすぐ動ける。それが、わたしが見学して得たいちばん大きなものでした。

わたしのようにいくつも見学しなくていい。
気になったところだけ知っておくと安心です
子どもが行ける場所は、フリースクールだけではありません。ほかの選択肢は、こちらにまとめています。


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